『フィルミネーション賞』受賞作品の発表 / JAPAN CUTS Hollywood 2019

19.11.02

短編部門:歩く魚 / The Walking Fish

-審査員コメント

芸術性の高い作品で次回作がもっとも期待できる監督として選出いたしました。
細部にまで行き渡った独特な構図や演出が、言葉で表されない生物の進化の妙を表現し、奇妙であるのにどこか美しい世界観で見た人の心を驚かせることに成功している。
また日本の役者そして舞台である日本の佐賀県を、日本人ではない監督が描くことで、日本の魅力が新しい視点として切り取られている。是非世界中の人に見てもらいたい。

-受賞コメント(テッサ・マイヤー監督)

このような素敵な賞をいただきとても光栄です!映画『歩く魚』の上映の場を設けてくださったジャパンカッツハリウッドの方々、心温まるコメントと共にフィルミネーション賞として選んでくださったフィルミネーション審査員のみなさんには、多大なるサポートをいただき心から感謝いたします。
映画を製作している間、身体の障害に耐えながら果てしない夢に向かう、映画の主人公・むつみと自分を重ねることがよくありました。
映画『歩く魚』の素晴らしい関係者・スタッフ全員には感謝しきれません。ホーランド・ハウス、佐賀県、佐賀県フィルムコミッション、スタジオ・ザ・フューチャー、オランダ・フィルム・ファンド、そして一番に映画製作クルーとスタッフたち。また、この場で全員の名前を上げきれないのが残念ですが、重要な役どころを演じてくれた才能ある役者の皆さん、一緒に切磋琢磨して、素晴らしい作品を作り上げられたことが嬉しいです。ありがとうございました。

長編部門:あなたにふさわしい / Suitable for You

-審査員コメント

脚本がすばらしい。現代の夫婦のあり方を、なかなか解釈できない、答えをみいだせない繊細な感情を文学的にもエンタメ的にも魅力的に描かれている。
夫婦同士の存在意義をテーマにし、知性も感性も他の生物より優れた人間であるがゆえにいかに他人同士である二人が、夫婦としてあるべきかを巧みな会話劇で上手く表現されている。
女性が結婚を通して抱えている自分だけで収めてしまう小さな闇を巧みな脚本構成とテンポの良さで、観客の興味を最後まで引きつけている。夫婦の問題への答えとも言える感情を鮮やかに描き、映画ならではの味わいとなっている。次回作に期待を込めて選出いたしました。

-受賞コメント(宝隼也監督)

突然のことで驚いておりますが作品がこのような賞をいただけて大変光栄ですし、私自身も今後の活動の大きな励みになります。
「あなたにふさわしい」、もし観る機会があれば是非多くの方に観てほしいです。脚本は高橋知由さん、撮影は渡邉拓海さんと浅津義社さん、音楽は重盛康平さんです。
この度はありがとうございました。作品が多くの方と出会えますように。

フィルミネーション賞
フィルミネーション賞は、才能のある映画監督やクリエイターたちが世界へ飛躍していくことと支援を目的に、日本のより良いコンテンツを世界へ広めるをコンセプトにしたフィルミネーションにより設置いたしました。世界で活躍できる可能性のある映画クリエイターであり、また世界中の多くの人に見てもらいたい優秀な短編・長編の作品を選出いたします。受賞作品はフィルミネーションが世界各国のVODへ販売いたします。